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みなさまと全林協をつなげる、コミュニケーションブログ★ 全林協編集部・解体新書

「利用の時代」を築くために

みなさん、こんにちは。白石です。

先日、梶山恵司さんと相川高信さんからお話しをうかがう機会がありました。
お二人ともシンクタンクの研究員で、かつ提案型集約化施業に向けた森林組合職員プランナー研修などで林業現場を飛び回っておられる中でした。
伺ったお話のおおよそは、次のとおりです。

世界を見回すと、先進国では人工林の林業が非常に元気であり、成長路線を進んでいる。
つまり、林業は地域を支える産業としてきちんと成り立っており、それが国レベルで実現していると。
また、先進国(かつ人工林)でこそ、林業は成長産業として成り立っており、ますますその成果を謳歌していると。

これは、理論でも何でもなく、現実の実例が証明している事柄ですから、これほど確かなことはありません。
私たちが林業を考えるとき、おおいに勇気づけられる実例ではないでしょうか。

ただ、日本はこれからです。
第一、収穫できる材にまで育っていなかったから(国レベルで見ての話。地域レベルで見れば、もちろん伝統林業地など、すでに産業として地域に貢献している例はもちろんあります)。

これからどうするかを考えるキーワードは、「育てる時代」から「利用の時代」へ移行するんだという意識改革と考えています。

つまり、「育てる林業」スタイルから収穫し、利用する林業へと転換を図っていくことです。

先進国型林業のスタイルでは、「収穫する林業」(間伐など収穫)が基本。そのしくみには、共通の条件があるそうです。

例えば。
林業経営の基本データである、人工林資源データがあり、蓄積・成長量・伐採可能量などのデータを、誰もが簡単に入手できること。

収穫しながら管理していく長期の施業基準ができていること。
目先だけではない、長期の管理指針ができていること。

伐採規定を含む、施業の基準(生態系を損なわない技術ルール)があること。

いわゆるフォレスター、森林管理・マネジメントの専門家がいること。

自分で伐採しない、ごく一般的なサラリーマン林家などに変わって経営を代行するしくみがあること。

いかがでしょう。

「育てる林業」では有効であった技術、機械類も、「収穫する林業」では役立たなくなることすらあります。マネジメントも同様です。

だから、思い切った切り替えが必要であると。
「育てる林業」の延長上には、「利用する林業」はない、ということだと思います。

だから、利用の時代を築いた実践例(例えば、海外の先進国型林業)のエッセンスを私たちは学びたいと思います。

フィンランドやドイツでは、中小林家であれ、4-5年に1回はそれなりの収入を得ることができるそうです(単に施業をするのではなく、収入となるのです!)。
それが林業の基本形であると。

それなら、所有者も心が動くというものでしょう。

傾斜が急傾斜、所有が分散・小規模だからダメだ。いままで言われていた理由は、本当の理由ではない(だから悲観する必要は全くない)と思います。

わが日本が、「利用の時代」を築いていくためには、何が必要か。
月刊「現代林業」2009年1月号特集やさまざまな連載企画を通じて、それを読者にお伝えしたいと思っています。

ご期待下さい。
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いにしえの・・現代林業バックナンバー紹介!

こんにちは、メインレポーターGです。

さて先日は林業新知識が発刊されたときの
当初のバックナンバーをご紹介いたしましたが・・

お待たせいたしました・・・・

本日は、姉妹誌、現代林業の発刊当時を、ご紹介したいと思います
全林協事務所の奧のほうに参ります・・・
DSC01311.jpg
ありました
昭和39年のものが最初です
早速開いてみましょうか・・
DSC02122.jpg
今とはだいぶちがう表紙ですね。これが第1号です
めくっていきましょう。写真のページになるのは、今と一緒ですね

DSC02125.jpg

これは第2号の巻頭写真ページですが、コーナー名は「カメラルポ」。
現在は、「フォトレポート」になっていますね。
皆さん、宿泊研修なのか、とっても楽しそうに生き生きされていますねっ

DSC02126.jpg
研修中の、入浴シーンも・・・・ん~大胆な取材です

記事についても、見ていきましょう。
DSC02123.jpg
USAシリーズなんですね
新知識でもそうでしたが、やはり戦後のイメージがまだこの時期でも強いのでしょうか・・・。
小見出し「オ・ワンダフル日本」です。

そして、1号では
DSC02127.jpg
カンドコロを解説すれば・・のコーナーができ、
2号では、
DSC02128.jpg
カンドコロという、現在の「カンどころ」コーナーが、早くもできあがっているのですね
ず~っと続いてきているコーナーなのですね


そして、この現代林業は、地域のリーダー「林研グループ」の方々に
色々な情報をご紹介するテキストということで、創刊されているので・・・

地域や、組織をまとめていくためには、グループとは、リーダーとは、
といったような、林業の知識とは別の読み物コーナー

DSC02129.jpg
色々な旬の話題を盛り込んでいることについては、
今も昔も、変わらないんですね

・・・・
そして、最後に創刊号の編集後記から・・・・

いやー、まったく子どもが生まれた時以上のさわぎでしたよ、
近代林業、林業教室、林業青年、林業と学習、林業現代など意見百出。
難産の末、現代林業と決まりました。
創刊号ともなれば、思わぬ事で頭を痛めるものです。
その一つが表紙。
やぼったいのはやめて、スカッとしたものにしようと思ったのですが、
何せ予算が少ないのでね。
まあ二色にしては上出来と思うけれど・・・


なんだかエネルギッシュな当時の担当者を彷彿とさせますね。

時代としては、拡大造林、そしてこれから林業への期待の高まる
そういった時代であったのですね
DSC02130.jpg

DSC02131.jpg

こちらは、当時の全国の林研グループが東京の高尾に集まって
研修をしたときの写真を、全林協で保管してたものです。
とっても皆さん、笑顔がまぶしいっ

現代林業創刊当時の様子を、少しだけご紹介いたしました
昭和の時代を感じたひとときでした・・・
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