第38回全国後継者大会の会場となった越前市は、平成17年に旧武生市と旧今立町が合併して誕生しました。
当地で垣間見た様子をいくつかご紹介します。
<蕎麦のまち>
武生駅周辺には、越前蕎麦のお店がたくさんあります。特に、大根おろしとつゆを添えた「おろしそば」は、越前の食の代表の一つだそうです。

写真は湧水と地元産の蕎麦粉、大根を使った「御清水庵」の「おろしそば」。こしがあって絶品でした。
<蔵を残すまち>
現存する蔵(築80年~百数十年)を補修し、街並みを整えた武生のまちなかにある「蔵の辻」。
カフェやギャラリーなどがあり、まちなか散策の素敵な休憩スポットです。
<和紙のまち>
今立は、150年の伝統をもつ「越前和紙」の里です。
「和紙の里」にある「卯立の工芸館」で、伝統工芸士の職人さんによる紙漉きの様子を見学させていただきました。
コウゾやミツマタ、ガンピを蒸して、皮を煮て柔らかくし、さらにたたいて細かくして、繊維を得ます。

繊維を水にさらしながら不純物を除く作業が、工程の中で一番大変な作業だそうです

繊維とトロロアオイ(黄蜀葵)の根から出る液を混ぜたものが和紙の原料です

名人技!微妙な揺り動かしにより、繊維が絡み合い、一枚の紙が漉きあがります。リズミカルかつ微妙な手の動きは魅了されます。この方法は「流し漉き」というそうです

漉く際に使う竹でできた簀(す)の目も美しいです

漉いた紙を「漉き桁」からきれいにはずされるのも名人技。漉いた紙を積み重ねたものを「紙床」というそうです

紙床に圧力をかけて脱水します

脱水した紙どおしがくっつかずに一枚一枚剥がせるのが不思議ですが、これはトロロアオイによるそうです

板の上で天日乾燥すれば、和紙の完成です

灯りで演出された和紙で描かれた絵(紙の文化博物館にて)

(高橋)